国の第2次補正予算が国会を通過、これにともない市議会にも関連補正予算が提案されてくることになります。
コロナ対策で「超大型補正」は予算額で31兆9,114億円ですが、財務省の資料では、このうち、使途の特定できない新型コロナウイルス感染症対策予備費、10兆円と、国債の利払い等のための国債整理基金特別会計への繰り入れ額963億円等のプラスマイナスを差し引いた、使途の決まっているコロナ対策関係費は、31兆8171億円です。財源は国債の追加発行としています。
第1次の補正額が、25兆6914億円で、予備費と国債整理基金特会への繰り入れを引くと、25兆5655億円でしたから、合計で57兆円を超える額です。
<ここが変!その1>これだけの規模の補正を組みながら、全国の都道府県と地方自治体分は、2次補正でも2兆円です。地方創生臨時交付金として、1次補正では1兆円しか交付せず、これを47の都道府県と約1800の自治体に分配し、相模原市分はわずか14億2200万円でした。
国と都道府県及び地方自治体の歳出の比率が4対6であるのに対し、歳入としての税源の配分が、6対4になっていることの問題はずっと以前から地方側で指摘し、税源移譲を求めてきています。しかし税財源の問題を先送りし、医療と社会保障を悪者にして、国民皆保険の柱である国民健康保険事業や介護保険も県と自治体に投げてきた国の政治のツケが今の無残な姿です。
コロナ危機では国の対応が遅いことに対し不満や不安が広がり、全国的に自治体が率先して、ひとり親世帯や、子育て世帯への支援、小規模事業者などへの支援を打ち出してきていますが、財政が厳しい自治体も多いのが実情です。
本社を置く法人が多く人口密度も高い財源豊かな東京都をバックに、多様な基金を積み増している23の特別区などの自治体は例外として、地方では小規模な自治体と、首長が自治体運営の中心に子どもを置く、あるいはノーマライゼーションの理念・哲学を持ち運営する、などの自治体以外は、この危機に対し思うにまかせない実情があります。
相模原市のように背伸びして政令市になり、合併で中山間地を含めた300平方キロ以上の面積を有しながら、市営の公営企業は下水道のみ、というところで、しかも過去12年間の無理な開発優先の投資で基金も満足に積めていない市では、昨年秋の台風19号被害からの復旧・復興の途上にある中で、生物災害というようなコロナ危機に到底財源が追い付きません。
本来国が交付金を各自治体に配分することを自治体側の要求をいれて充分に措置するべきです。そのための国債発行であり、今年度の予算を不要不急の事業をストップして組み換えをすべきと思います。ところが実際には、上記のように全国の自治体と都道府県分でまだ3兆円の交付金です。
緊急事態宣言を発した時点では、それぞれの自粛要請などは、都道府県知事にゆだねられる法の仕組みになっているのに、各県とその影響を受ける市民に最も近い自治体には、充分な財源を交付すべきです。
<ここが変!その2>1次の補正予算でも「Go To キャンペーン事業(仮称)」などに1兆8482億円が計上されていたことはおかしな予算として報じられていました。それなのに通ってしまう、という矛盾がそのままでした。
更に2次補正でも、「持続化給付金の対応強化」として1兆9400億円が計上されています。経産省の一般社団法人のサービスデザイン推進協議会に委託された後、上の図のように委託先から電通に再委託されたのち、更に再々再委託先まであるとわかっています。委託先が一つ増えるごとに数億から数十億円が中抜きされてしまう構図をなぜ認めなければならないのか、この補正予算がなぜ通ってしまうのか、不思議でしかたありません。
こんな既得権者を増やし、無駄に税金を使うから、57兆円もの補正を組んでも未だ給付金も届かない、雇用の現場ですくえるはずの人たちが救われず、住居も仕事も失うようなことになって放り出されてしまうのではないでしょうか。これもこれまでの政治の結果であり、その惨憺たる事態を今私たちは目の前にしているのだと思います。
各省庁の省益=既得権益に税金が流れていくしくみが積み重なってきています。更に、防衛費という名目で、コロナ危機の中でも、沖縄の辺野古の海を無理やり巨額な税金で埋め立て、米軍基地を拡大しています。F35、オスプレイなど正面装備を米国から爆買いし、5兆円を超える予算を組んでしまっているこの国の政権はとっくに終わっています。市民の危機には役に立たない政権にはさっさと降りてもらうしかありません。