6月 27日(月) 経済産業省の執念??

玄海原発の再稼働に向けて、無理やりのごり押しが公然と通っています。国が勝手に抽出した7人だけが対象の住民説明会とは一体何なのでしょう。こんなことがまかり通るのは、いまや世界でも日本と某独裁国家などに限定されるはずです。ドイツのミランダさんが、福島は日本にあるのになぜ日本では今日にも原発が止まらないのか、その不思議を見ている、と言われましたが、まさに世界が呆れるのではないかととても恥ずかしいです。

利権と既得権益にかられた族が、佐賀を突破口に原発へのゴーサインを出そうとしています。首相以外は閣僚も原発推進に絡め撮られています。この国の政治のおかしさ、悲惨さは目をおおいたくなります。再生可能エネルギーへの法案を何としても通してもらいたいです。今脱原発に舵をきれなければ、犠牲になった福島の人たち、自殺した農家や畜産かの人たちも全く浮かばれません。エネルギーの自立・自給を個々分散して可能にしましょう。

さて、私の仕事はどうなっているのか、とご心配くださる皆さまにご報告します。私は今、大野銀座商店街の事務局としてパート勤務をさせていただいています。お話をいただき、迷いもあったのですが、お世話になった方たちも多いので、しばらくのあいだやらせていただくことにしました。収入も必要なのですが、どちらかというと私自身お世話になった皆さんに少しでもお役に立てれば、というところでした。大変なところもあり、慣れないことも多いのですが、まあぼちぼちと自分も勉強と楽しみを持ってやれたら、と思います。大野銀座商店街にお越しの際は事務所に寄ってみてください。週に3日ぐらいですが。

6月 23日(木) 慰霊の日

今日は沖縄の慰霊の日です。私もちなんで昨日、今日は”かりゆし”にしています。昨日から急に暑くなりましたが、沖縄では、日米の2+2での協議を受けて、より熱く憤りが満ちていることと想像します。いつになったら平和な島になるのか、本当に憂いてしまいます。

さて、原発問題ですが、連日のようにマスコミを通じて、夏場の「電力不足」を宣伝し、”節電”を執拗に広報しています。自治体によっては、メールで冷蔵庫の電源さえも切るように促しているところがあるそうです!!何ということでしょうか!電力は足りているのに。夏場のピーク時と言っても、日中の2時から3時ごろの一時期を節電すればいいはずなのです。「一律15%の節電」は明らかに過剰宣伝です。電力不足を宣伝することで、原子力に依存していく構造を維持しようという意図が見えています。皆さんもう既に節電意識が高まっていますから、取り立てて宣伝しなくてもいいはずなのに。惑わされないことが肝心です。特に行き過ぎた節電は、熱中症の被害を拡大させますし、それでなくても節電意識が高い高齢者にとっては、まじめな人ほど自身の健康を害することになりかねません。

今日は私も職場のエアコンを少しいれました。来客時や昼食のときです。もともとエアコンがあまり好きではないので、困ることも少ないですが、無理は禁物です。何事も行きすぎはよくないのです。

6月 22日(水) 県への申し入れ

0110621 昨日、「新しいエネルギー政策を進める会」で、皆さんと知事への申し入れ行動で県庁に行きました。

対応してくれたのは、新エネルギー・温暖化対策担当部長の藤巻さんと、危機管理対策課長の鈴木さん、農業振興課の深澤さんらです。翌日になる今日22日から議会の質問が始まるという前日で、多忙だったと思いますが、早い対応をしてくれたことはありがたかったです。

新たな部署として発足した新エネルギー・温暖化対策の担当部長がまとめ役をしてくれました。

私たちは文書に基づいて具体的なことを要請、質問しました。太陽光発電への補助については、今回の補正が一人当たりの増額になっていないことから、これでは知事の言う飛躍的な普及には至らないと、せめて半額まで補助を増やす努力を求めました。知事が、eシフトの院内集会で、「個人の初期投資はゼロでできる」という発言をしていることも期待を大きくしていることなどもあげました。県としては、今年度の補助額は先に申請している人と後の人で変わることは不公平になるため同額にした、全体では昨年の倍以上12000件以上の申請を見込んで、一人当たりではなく、全体を増やしていく、というような話でした。しかし参加者からも、これでは所得が低いけれども意識のある人に手が届かない、などの意見も出され、増額を訴えました。

知事の初期投資ゼロ、は、国の全量固定価格買取制度が法のしくみとして成立することが前提での話しであるとし、それまでは難しいとも。でも、これだけ太陽光の普及を宣言している知事ですから、ならば来年度はこのままの低い額では話にならない、ということは県当局も折込済みのような感じでした。つまりは今年は形式的に、来年度から本格実施なのでしょう。と私は受け止めました。

農産物などの放射能測定について、測定計画をつくり事前に公表して欲しい、と要請しました。国から4月に測定計画の策定を通知したのは、11都県で、神奈川は入っていなかったそうです。が、5月に「安心を提供するつもりで測定した」生茶葉から基準を超える数値が出たのですから、国の枠に入っていないからといってやらない、というのはおかしい、とこれも参加者からも意見がでました。農業振興課としても前向きに考えるようでした。測定する作物の計画を公表すれば県民からも意見が出やすくなり、声を聴くきっかけになります。生産者だけでなく、県民全体の声に添っていくためにも必要です。放射能の測定については、民間の限られた検査機関と県では衛生研究所のみです。フル稼働しても間に合わないことから、県では補正予算で、技術センターに測定機器を購入するそうです。入荷まで時間がかかるようですが、となれば県として積極的に活用していくべきです。

危機管理対策課の放射の測定については、新たに厚木と足柄上、小田原にモニタリングポストが設置されたことを聞きました。それらは職員がそれぞれ1日に2回測定し、ホームページで数値は公開しているとのことです。しかしこれでは当然網羅できません。33市町村のうち、11の市町村ではいまだ測定していません。保育園や学校の校庭、プールなど、市町村での測定を県としても促すよう求めました。が、これには、市町村が住民の要望でやることで、県が指導する立場でもない、と言います。モニタリングポストも国の委託から来ている国の仕事、という旧態以前的な捉え方に思えます。3,11以後の自治体は変わっていかなければならないように県も変わっていくべきと思うのですが。参加者からは、一度だけでもいいから、県内を細かく測定し、ホッとスポットなど地域的な詳細を把握して欲しい、との意見、子どもの目線での測定を求める意見、等々でましたが、これについては平行線です。測定も安全保安院の指示のとおり、高さ1メートルではかる、というのが県のモニタリングポストです。ここからはやはり市町村が積極的に動くしかないのでしょうか。

太陽光以外の自然エネルギーへの助成のしくみづくりには、具体的な提案があれば積極的に検討していく、という姿勢でした。バイオマスについて、特に水源環境保全税のからみでもかんばつ材が活かされていない状況を前に進めるために、検討して欲しい、と要請しました。県としては、新たな再生可能エネルギーへの助成については、コストとエネルギーの量でまずは考える、と従来的な話です。私は、もっと小規模な分散型のところも含めて、意見を聴き、助成のあり方を検討するようその仕組みづくりを求めました。

知事の積極性があることで、新エネルギーへの取り組み姿勢はこれまでになく感じられます。ただ、具体的にはこれからで、逆に提案して多様な主体の知恵や取り組みを知らせ、県をサポーターにしていくことは可能性が大きいという期待を持ちました。実際はやってみなければわかりませんが。

22日から議会との実際のやりとりとのことで、議会の様子を聞いてみました。脱原発、と再生可能エネルギーへの転換を大胆に、というスタンスを否定する議員や会派はない、と言います。さすがに相乗り型で選挙をやったことが効いているのでしょうか。でも世論も脱原発ですから、これは止められない流れでしょう。更に具体的な実効性ある助成のしくみ、太陽光の補助の底上げ、これは当局も必要と考えているようなので、ここをチェックしながら、提案もまたしていきたいと思います。

それにしても、県の対応に比べ、市の担当からは未だ連絡もありません。仕事をしたくないのでしょうか。

6月 11日(土) 脱原発100万人行動の日

福島第一原発の事故から3ヶ月です。今日各地ではデモや集会などが100箇所以上計画されていました。あいにく関東も昼間は雨が降っていました。私は考えたのですが、日弁連と簡弁連の主催するシンポジウムに参加しました。相模原から3名で行ってきました。

「福島第一原子力発電所の事故を通して、世界のエネルギー・環境問題を考える」というシンポジウムは、パネリストとして、脱原発を提唱している方たちと、今も原発を推進しようという、いわゆる原子力村の方たちの双方を迎えた激論を交わすというものでした。原子力村の人を呼べるというところが、日弁連のすごさか、と思います。通常脱原発で活動するNPOなどのよびかけではこうした方たちは来てくれないことがほとんどと思います。ここが興味深かったのです。

メンツは、脱原発のスタンスで、飯田哲也氏、後藤政志氏、千葉恒久弁護士、原発推進の立場で、林勉氏、小野章昌氏、そして中間的な松村敏弘氏という顔ぶれでした。

林勉氏が、元日立製作所原子力事業部長で、エネルギー問題に発言する会の代表幹事でもあり、その話をどう展開するのか、と聞いていました。が、原子力と天然ガスや石炭、太陽光などを比較した、各種エネルギー源の比較資料も相変わらず、経済性・CO2などで原子力が◎になるようなものを出してきて、放射能を閉じ込める5重の壁、という崩壊した旧い神話を繰り返し、多重防壁で安全性は確保される、などという話をするのです。

このプレゼンを聞いていた飯田哲也氏が、「3月11日がまるでなかったかのような話で驚く」と言った言葉は、思わず拍手がたくさん出たことに会場の多くの参加者が同じ思いを持ったと想像できました。世界の原子力発電は今後発展していくかのような言い方や旧い資料、原子力村の人々にとって、福島の事故も今も続く放射能汚染もまるで別の世界の出来事のように時間が止まっているのでしょうか。自己暗示もここまで来るとすごいものです。ただ、その論理は全て破綻していること、既に過去の幻影になっていることは、ほとんどの国民の認識でしょう。この程度の話なのか、と思いました。

小野氏という人の話は、飯田さんとドイツを批判するもので、自然エネルギーには限界があり、省エネでは電力消費は減らない、2070年には、原発を1億9700億kWにする必要があり、これは更に100基以上の原発を必要とするということです。こういうことを今声高に言う人がいるのです。この人の話にも、今の福島原発事故で避難を余儀なくされている現実の人々や、子どもの放射能汚染を心配する人々のこと、命のことなどは全く視野にはいっていません。

千葉弁護士が紹介していたドイツの決定で、原発はドイツの社会が受け入れない、ということが決定の理由であったこと、倫理委員会が何時間にもおよぶ激論の末決めたことに言及していました。脱原発にはまさしく思想、哲学が背景にあります。原子力に「本質安全」は不可能、だからという後藤さんの技術者としての話にしてもそうでしたが、そこには未来に責任を持つ、という長い地球の歴史の中の一時を生きている今の人間としての当然の思想があります。しかし、推進派の人の話には、全く当時者能力も責任感も感じられませんでした。ここに歴然とした違いがありました。

今日の新聞では経済産業省主導で事故調査委員会を骨抜きにする構想を、首相が拒否した、とあります。危惧されたことです。だから今、電源3法をはじめ、原子力依存の仕組みを、脱原発に向けて法的整備から舵をきり着手しなければなりません。本当に今やらなければ、、です。

6月 6日(月) 6月4日の8時間シンポジウム

110604_191249 110604_191342 この写真はどちらも6月4日のシンポジウムー脱原発!エネルギーシフトをめざす6・4シンポーでのものです。スタッフメンバーでご一緒させていただいた末松さんと。そして左の写真は、ラストのとても壮大な踊りを見せてくださったIZANAIのメンバーの方とのショットです。私の着ているTシャツは脱原発のTシャツで、この日に手作りで販売されていたものです。同じ絵柄で、ドイツのものも買いました!

久々のこういう場での会場スタッフとしてのお手伝いで、朝早くから夜までの長丁場でしたが結構あっという間で楽しめました。8時間という中では、やはりというか著名な、飯田哲也さん、宮台真司さん、上杉隆さんらが参加されたパネルデイスカッションが一番人客席も埋まっていたと思えました。ここは私も客席で聞けましたが、なかなか聴き応えがありました。特に良かったのは、ドイツからの特別ゲストだった、ミランダさんのお話で、「福島がもしドイツにあったら、明日全ての原発を止めようとなるでしょう」という話です。

菅首相が浜岡を停止するとしたとき、国会では自民党が、法律がないのに、とまるっきりのピンとはずれな視点でたたいていました。しかし、ドイツではやはり法律がなくても、全ての原発の廃止が決まったのです。ミランダさんは、そうならない日本をドイツでは興味不覚見ている、と言われていましたが、これはとてもうまく微妙な言い回しで、国民の一人としては止められないことが恥ずかしいばかりです。しかも地震大国で。

上杉さんの記者クラブ廃止論の視点は、原発問題でもより核心をつきます。東電の記者会見に事故直後から行っているという上杉さんらフリーのジャーナリストが、既存メデイアが東電の会長らから事故当日も接待を受けていた事実を問い質した際、やめさせようと妨害したのが、日経や読売などの既存メデイアだったことなど、東電との既存メデイアのもたれあいの実態も細かに報告されました。

宮台さんの、風評被害ではなく当然の防御だ、といわれた話もストンと納得です。今朝のテレビでも放射能から子どもを守るために、避難させている福島県内の若い母親たちの苦悩が報じられていました。国がはっきりと避難を強制しないから、問題は大きくなって個人が個人ではどうにもならないことに悩み苦しむことになります。大げさだ、避難しようとする人をなじるようなことが起きているのですから。でも放射能に「しきいち」はない、のです。これは理工系の人なら当たり前に学ぶことだそうですが、つまり放射能はどれくらいなら安全ということはないのです。国の食品などの基準値も、別に「安全基準」ではありません。この点を国がどこの官庁もひっくるめてはっきりさせ、少なくとも、年間の被爆量が、1ミリシーベルト以上になることがわかる地域は、子どもたちは全て避難の対象地域にすべきです。

神奈川県のお茶の放射性物質の測定についても、県は測定しない、としていますが、これで生産者を守ることにはならないと思います。むしろ、測定して500ベクレルという生茶と同じ基準値を当てはめてそれ以上だった場合、国に生産者への所得保障をすることを約束させることの方が、消費者の安心と生産者ー神奈川ブランドの足柄茶ーへの信頼を取り戻すことになると思うのです。今のままだと、しきい値がないと既にわかっている多くの人達は、たとえ市場に出ても足柄茶を買わなくなってしまうのではないかと逆効果に思います。県にはもう少し冷静になってもらいたいものです。

私も、立ち上げた「新しいエネルギー政策をすすめる会」は、原子力に頼らない社会をめざしていろいろな提案を自治体にもしていきたいと思います。

5月 27日(金) 銀座デモ

P1000233 P1000228 日比谷での脱原発の集会とデモに参加してきました。始まりはまだ明るかったのですが、さすがにデモの時には暗くなっていました。雨が予報とは違ってほとんど降らなかったことが救いでした。ずぶぬれを覚悟して、いろいろ持っていったのですが、このレインコート(写真の一番左が私です)も最後は暑くなってしまいました。危険な原発を止める会-相模原の、野澤さん、お友達の山下さん、そして吉田さんと女性4人で行ってきました。 

東電前を通るデモのコースでしたが、東電の前になぜか、NHKとフジテレビの大きな車が東電の前をふさぐように止まっていたのが不可思議でした。中で取材や報道でもあの止め方は、、?その際に警察の皆さんも東電の周りを囲んでいましたが。デモの皆さんは東電の前にかかると、「東電は責任を取れ!」とか、それぞれが声を一層上げていました。私は久々の都心のど真ん中のデモで夜の銀座を眺めながら歩いていました。時に、交差点で拍手してくれたり、ガッツポーズで共感を示してくれる人がいるのが、今の脱原発の世論を示しているのかと思います。

ただ全体には800人くらいで、天気予報が雨と、金曜の夜という条件ではありますが、もう少し参加者が多いのかな、と思っていたのがそれほどではありませんでした。

集会では、福島の子どもたちの被爆許容量について、保護者らの働きかけを受け、今日文部科学省が「当面、年間1ミリシーベルトをめざす」と態度を変えたことが報告されました。これは一歩前進です。あと浜岡の報告もありました。

しばらく行動が続きますが、スイスやドイツに倣って日本も脱原発に舵をきるようできることをしていきましょう。

5月 25日(水) またまた原発

以前からお世話になっていて、原発の問題を伝える海外情報を翻訳してリアルタイムに発信されている野澤富士子さんとともに、「危険な原発を止める会ー相模原」を立ち上げます。徐々にではありますが、大新聞やテレビも”原子力村”の構図や電源3法の問題など、だいぶいろんなことが表にでるようになってきています。完全に政策転換をはからせていくための行動を今やっていくべき”時”だと思います。

ようやくですが、原発が、沖縄の基地と同じような「交付金」という麻薬で自治体の自由を奪い、じりじりと真綿で首をしめるようにがんじがらめにしていく構造が知られてきました。ずっと前から書かれていたことですが、復刻版となって原発で働く下請け労働者のことを書いた「原発ジプシー」などの本も加筆され店頭に積まれています。鎌田さんや広瀬さん、高木さんの本も同様です。ずっと運動をしてきた人達も、今始めて原発を怖いと思った人達も、いっしょにとにかく原発を止めましょう。

5月 13日(金) 放射能汚染

県内産のお茶から放射性物質のセシウムが検出されたことが昨日報道されました。お茶の栽培農家だけでなく、新茶を楽しみにしている私も含め多くの人が、またショックを受けたのではないか、と思います。神奈川のお茶から出たということは、決してここだけの話ではないと思うからです。お隣の県でもそしておそらくは東日本では少なくともかなりの範囲で計測してみれば検出されるのではないでしょうか。まだ放射能について、汚染の計測が義務付けられているわけではないので、自主的に調べてもらうなどしかありません。これだと、調べたら数値が出てしまう、となれば生産者は逆に被害を恐れて調べることもできません。放射能の汚染で出荷できない場合の補償を国や県がスキームをつくって安心してもらうことが不可欠です。東電の責任ももちろんです。

やはりメルトダウンしていたことも2ヶ月もたってから公式発表されるのは、誰にどう怒ればいいのでしょうか。早い段階でそう指摘していたり、考えていた人が結構いたと思いますが、公式にはメルトダウンという言葉を避けてきたことが、また不信を大きくします。この先一体どれくらいの放射能汚染が拡大するのか、蓄積される放射能はどれくらいになるのか、本当ならチェルノブイリの経験から、予測と子どもたちなどを非難させることぐらいはやるべきです。広瀬さんなど、福島などの汚染濃度が高い地域の子どもを疎開させることを提案している人はたくさんいます。にもかかわらず、何の根拠もないのに、「浴びていい基準」を20ミリシーベルトまであげるという暴挙に出た国は、棄民策をとろうとしていると言っても言い過ぎではありません。必要な情報も伝えないで手をこまねいているときではないのです。

1年後、どこでどれくらいの放射能汚染が予想できるか、更に蓄積される量はどうか、その予測を公表し、ガンの発生率が高くなる数値や過去の経験をもとに説明し、細かで確かな情報のもとに、どこの何を選択して食べるのかを私たち一人一人がそれぞれに判断をしていくことがもとめられます。子どもを持つ親はより正確な情報を必要としています。

このところ新聞では書けないのか、週刊誌がかなり突っ込んで東電批判や、「原子力村」に群がって原発推進のために税金が野放図に使われたことなど、書かれてきています。これがテレビでも今言われるようになってきつつあるのは、東電のスポンサー力がもうなくなったからでしょうか。今になっても原発推進を言う人や未だに各電力会社のコマーシャルに出ている人は、事故の最前線に行って体を張ってもらいたいものです。自民党の某氏や斑目某氏、評論家の某女性などなど、、そうすれば騙されて現場に派遣されるようなことにならずに作業する人が確保できるのですが。

5月 8日(日)浜岡原発

110507_1321561 110507_1324301 110507_131449 写真は昨日の7日、渦中の浜岡原発に出かけて行って撮ったものです。原発本体にはもちろん入れませんが、資料館として大規模な施設があり、ここは無料のためか、観光名所のように、人がたくさん来ていました。親子連れも多かったのに驚きました。

左が、原子炉の実物大の模型です。真ん中は、展示してあるパネルで、「津波対策は万全です」と書いてあります。右の写真は、この資料館の展望台から見た、浜岡原資力発電所の光景です。真ん中の細い煙突のあたりが、1号機、2号機で停止しています。左側の煙突のあたりからが3号機 その奥に4,5号機があります。今はこの2機が稼働している状態です。

110507_1357431 こちらのパネルは、地震対策のことを書いたものの一つで、「地盤の状態を正確に把握しています」と書いてあります。この中に、岩盤に直接建てられているから、大丈夫、というような表現があります。そして、4月30日のブログでも紹介しましたが、確かに、地震に強い、という表現になっているのです。この泥岩と砂岩で砂岩の割合が多い地層がなぜ強固なのかはわかりませんが、ここまで強弁されると本当に洗脳されてしまいかねません。この他にも、例えば、どんな不都合なことも全て情報公開している、という、表現もあったり、嘘を重ねて推進していることが露骨です。

資料館は2つあり、原発のことを宣伝したこの資料館と、もうひとつ隣に、「新エネルギー館」という、風力や太陽光などについて、取り組んでいる、ということを宣伝しているハコモノもありました。実際、浜岡原発の反対側の海沿いには、8基の風力発電用の風車が回っていました。こちらのプロパガンダにも力を入れています。この2つの館を運営していくだけでも結構な維持費がかかるでしょう。そのコストは電気料金に含まれて徴収されているのでしょうか。完全に中電の宣伝のためのものですから、広告宣伝費としてバカになりません。

首相が停止を求めたことは、とりあえず歓迎します。この間に完全に止めていくために働きかけをしていくことしかありません。今停止したら、電気はどうか、などと騒ぎますが、もともと余力がある中電の電力供給量は、浜岡がなくても全く困らないのです。余力の範囲が少し小さくなるだけで、逆に節電もしていけば、本来の供給量も今の見込みより少なくてすむのです。

浜岡原発は、御前崎市にありますが、ここはカツオ漁とお茶で成り立っている印象です。どちらも原発とは共存できないものではないか、と思えてなりません。原発の場所に近くなると、突如立派な野球場や陸上競技場が姿を現して、これらが原発でもたらされたものでは、と思わされます。人口が数万人の街にはあまりに不釣合いな感じを受けますが、でもどうしても必要なものだったのでしょうか。中電が一方で宣伝もしているような新エネルギー中心の政策へと変えていくためにここを第一歩にしていきたいものです。

4月 30日(土) 「終焉に向かう原子力」

110429_123344 110429_155937 昨日、御茶ノ水の明治大学で、「終焉に向かう原子力」第11回が、「チェルノブイリ原発事故から25周年・浜岡原発を即時停止させよう・福島原発震災を繰り返すな」と題して開催されました。開会時間の1時間も前から会場の明治大学に集まってきた参加者の様子が最初の写真ですが、見えますでしょうか?この会をキャッチし、誘っていくれたお友達と早めに到着し、順次3階のホールに行くためのエスカレーターで移動しているときに移したのですが、おそらく2000人からの人が集まってきていたと思います。会場を3回変更したそうですが、それでも全ての人が入りきることができず、参加ができなかった人も数百人単位でいたようです。開会時間を30分遅くして、整列入場をしながらはじまりました。

最初に、浜岡原発の現地報告を3人の方からシンポジウム形式で聞きました。中でも原発推進のあり方を象徴する報告は、浜岡原発が建っている地層のことを紹介した話です。

中部電力による浜岡原発が建っている御前崎市のこのあたりの地盤は、「相良層」という泥岩と砂岩の互層による構造で、「軟岩」に分類される、言ってみれば非常にやわい地盤なのです。明治大学の生方先生が実際に会場で、手で簡単にボロボロ砕けることを示してくださいました。これを当初中部電力も、この事実を展示していたのが、あるときから突然この事実が隠されてしまったのです。現在は、「地震に強い地盤」と記載するだけで、「相良層」のことは全く消されてしまったというのです。柏崎刈羽も活断層の上に建っていることを隠して建設されたことがわかっていますが、浜岡の原発も嘘を上塗りした上に建っていることをあらわしています。

30年以内に、87%の確立で起こるとされる東海、東南海地震を考えるまでもなく、浜岡原発は危ういものです。しかし同じ29日、朝刊の1面で、浜岡原発の3号機を7月に再稼働させることを前提にした経営計画を公表したことが掲載されました。

柏崎と同じように東海地震の震源地の上に建つ浜岡原発のある下は、南海トラフというプレート境界で、100年から150年単位で、M8クラスの巨大な地震がおきていることは既に知られています。1854年の安政東海地震から既に150年以上がたっており、いつ起こってもおかしくない、という指摘も繰り返し言われています。

地元市民団体などが、浜岡原発の運転差し止めを求めた訴訟を2003年に起こし、これまでに89万人からの人が署名もしています。耐震性も不十分で配管破断事故を起こし、老朽化した1、2号機は、この訴訟の高裁段階で、中電側が廃炉を決めますが、逆に新たな6号機の増設も打ち出したのです。現在も訴訟は続いていますが、過去の地裁段階で、「耐震性は確保されており」「原告らの生命・身体が侵害される具体的危険は認められない」とした1審判決は、計り知れない犠牲をともない事実によって覆ったことになります。現状のままで中電に3号機の再開をさせるわけには行きません。私たちができることをやらなければならないのです。

明治大学の集会では、小出裕章氏と、広瀬隆氏の講演が続いて行われました。私は小出さんの講演しか聴けませんでしたが、講演の最初に、小出さんが原子炉実験所という原子力の世界にいながら、原発の事故を止められなかったことに、「申し訳ありません」とわびられたのがとても堪えました。現場から批判し続けてきた小出さんよりも、政治に係る場にいながら、原発依存を脱却しなければと思いながらも、震災前に一般の主婦やタレントを使ってエスカレートしていった東電の原発推進コマーシャルを吐き気がするように文句を言いあせりつつ、具体的には何も動いてこなかった私自身、飯館村などの人々に言わなければならないことだと思ってしまうからです。正直に言えば、震災前の原発に対する私の思いは、推進側の派手な宣伝と海外輸出などの動きにあせりとともに、広瀬隆氏や、鎌田慧氏の本を読んでは、いつか必ずくるだろう、という思いと絶望感とが交差するような感じがずっと続いていました。ときにレポートで書いたり、防災対策に絡んで、浜岡のことを議会でもぶつけてみようか、と思ってみながらなかなか前に進めない忸怩たる思いがありました。こんなことが起こってしまってからで申し訳ないのですが、でも何もせずにはいられません。

浜岡を止めるためにできることを!まずは一歩。