8月 16日(水) お盆に視察!障がい者の差別をなくすための取組について学んできました。

IMG_3006 (768x1024)IMG_2999 (3) (768x1024)2枚の写真が並びで、わかりにくいでしょうか。

左側は、加古川市の窓口に置かれた、「コミューン」という難聴の方に聞こえが良くなるように、音量を調節できる機器です。

左の写真は、明石市の議場の後方で車いすが出入りできるように設置された昇降機です。車いすの傍聴者に対応できるように、この先にスペースも広く取られています。

昨日8月15日と前日の14日は、兵庫県の明石市に超会派で視察に行ってきました。5会派の女性6人での視察で、目的は、写真の2市の「手話言語・障害者コミュニケーション条例」(明石市)、「手話言語及び障害者コミュニケーション促進条例」(加古川市)について実地に学ぶためでした。

明石市では、この条例制定の過程で当事者団体の「明石ろうあ協会事務局次長」として検討委員会メンバーだった女性が、その後全国初のろう者の議員として市議会議員に当選されたそうです。そしてこの条例だけでなく、「明石市障害者配慮条例」も制定。さらに「成年後見確保任用条例」も制定。これら3つの差別を解消する条例のセット運用に至り、議場に車いすの傍聴席スペースをつくり、写真のような昇降機を設置に至っているのです。

加古川市もやはり議場には、車いすの傍聴席スペースがありました。加古川市では、配慮条例は作らないで、現在の、手話言語、、の条例で、配慮すべき部分のコミュニケーション手段などを中心に、まずは対応していく、としていましたが、議会傍聴スペースがちゃんと作られていることは、両市とも素晴らしく、見習わなければなりません。

明石市の場合、条例を制定する過程で、障がい当事者の方たちや、支援者の方たちなどから、差別と感じたことはどのような場合、場所か、という聞き取りを行っていて、これが配慮条例を作る際、プラスになっています。

手帳の取得状況も、市民の人口に対し、5.5%の人が身体・知的・精神のいわゆるそれぞれの障がい者手帳を取得されています。相模原市の場合、窓口はかなりいっぱいで、職員対応も目いっぱいの印象ですが、それでもおよそ4.4%くらいですから、明石市さんの方がニーズを掘り起こして必要な人がとれるようになっている度合が高いように感じます。

条約批准後、障がい者差別解消法の制定、各自治体での、いわゆる配慮事項、への取り組みなど少しづつ進んでいますが、全国的には、自治体によって違いが出てきていると思います。明石市では、子育て支援の取組も力を注いでいて、そのためもあってか、人口もこの数年増え続けているそうです。

「共生社会」を目指す、と言うことはたやすいです。が、実際に明石市の配慮条例の第1条にあるように「障害を理由とする差別を解消するにあたっては、障害のある人とない人との権利の平等が最大限尊重されなければならない」のであり、その具体的な手段や、ツールが条例などとして、あるいは政策から施策として提示され、使えるようになっていなければならない、と思います。

両市では、飲食店やお店の展示メニューや、コミュニケーションボードの作成にかかる費用の助成をするとか、手すりやスロープをお店がつけるための工事費用の助成などのメニューをつくっています。目が見えなくても、飲食店でおいしいものを食べたり、車いすでも階段のあるお店を利用したり、と我慢をせずに利用できるようにすることが、配慮条例とコミュニケーション条例によって担保されているのです。こういう流れが進むことが、健常者にとって、障がいがある、ということで不当に扱われたり、不自由を強いられてしまっている一つ一つを具体的に知り、理解していくことにつながる、と思いますし、市の担当課の説明でも、お店の人や健常者の側にとってとてもプラスになってきている、と紹介されてました。

私たちのまちで起きたやまゆり園の事件のことを考えるとき、明石市や加古川市が進めるまちづくりの方向に、相模原市こそ、真摯に向き合い、ひとやお金を使う事が共生社会を求めていくことになる、と思った視察でした。

 

 

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