7月 19日(火) 暴風雨

大型台風の四国接近で天気が荒れ模様になる中、今日は市役所への話で出かけました。「新しいエネルギー政策を進める会」として「要請書」を渡し、様々な問題について話を聞くためでした。

放射線量の測定について、市では8月上旬にもようやく、約280の市内全小・中学校、保育園、幼稚園などについて測定するとのことです。また土壌についても、3kメートルメッシュで市内全域を測定するとのことですが、これは一回とされていて、線量の高い数値が出たところなどは経過監察でやっていくことになる、とは言うものの、測定後の対策や除染対応などはまだ検討もしていない、とのこと。測定後の除染と対策こそが問われます。年間1ミリシーベルトを超えると想定されるところについて、特に子どもの生活や遊びの場になるところは、除染が行われるようにこれからも注視と監視をし、意見を言っていく必要があります。このあたりの基準をどう持つか、については、なかなか腰が重い感じを受けました。これはまた継続して言い続けなければならないかも知れません。

市では、危機管理室が頭になって庁内の全部局からの出席で検討会を開いているそうですが、なかなか放射能汚染問題での対応について、把握と責任が一元化されていない印象を持ちます。もはや従来のあり方ではやっていけないのですから、まして政令市になった市として、住民の安心を担保してほしいと思います。

給食の測定については、横浜のように給食会が一括してやっていない、との理由を挙げて、食材を測定することは困難との話でした。しかし要望としては多く寄せられているとのことですし、各学校や保育園の食材の産地については、翌日などでも公表をできるように工夫を要請し、放射能測定についても更に検討を求めました。市の教育委員会としても、2学期に向けて何か工夫をしなければ、という問題意識はあるとのことでしたが、、。出席した人からは、市の友好関係にある、蓼科町などからの契約的食材提供をこの機会に行うことなども要請されました。市内の給食に使う牛乳は、県産のもので、これは県が調べているとしています。しかしその外は様々です。教育委員会は今は各学校や保育園に、できるだけ、西日本の食材を調達をすることなどを依頼しているそうですが、その日の午前中に電話で聞いてくる保護者もいるとのこと。各施設が同じフォーマットで毎日産地を表示できるようなホームページをつくるとか、せめて情報の開示に向けて前進させたいものです。

今の「汚染牛」の問題を見てもつくづく考えるところがあります。これまで日本の農業や地産・地消、農薬や化学肥料に頼らない地球に優しい持続可能な農・畜産・漁業などを地道に創り、育ててきたのは、個々の農家や畜産家=生産者と心ある消費者、市民なんだということです。決して国や官庁ではないのです。一人一人の市民=国民の命やなりわい、この国の風土や誇るべき作物などは生産者と消費者が協働でつくり育ててきたのです。利益があれば追認してきたような国・官庁です。そこに、突然、原子力による放射能という消そうにもなかなか消せない猛毒がばら撒かれました。懸命に作物をつくり、牛を育て、漁をし、自然と共存しながらやってきた人々が一番苦しめられるような事態に、何の気概も理念もなく利権だけで動いてきた国・官庁だから全て後手にまわる、目の前におきているような惨憺たる状況が広がってしまっているのです。必死で踏みとどまろうという担い手を支え、次につなげるための政治が機能しないこの国の貧しさは言葉になりません。

ペンキがはがれるように見せられる日本の、官庁の、あるいは自治体の、まがい物の権威と地方自治。これを踏み越えて行く試練の中に今私たちはいるのではないか、と思うばかりです。

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