6月16日(月) 食の危うさ・・・農薬

先に記事を記載してからかなり日数が経ってしまいました。竹富町の教科書採択問題が、とりあえずは自治体の意向に沿う決着になったことには、当然の結果とはいえ安堵しました。結構な人々が賛同してくださったことも大きいと思います。

もともと地方教育行政法で市町村に教科書採択の権限があるのですから、文科省が竹富町に是正要求をする事が間違いで、矛盾しています。教科書無償措置法がそのままにされている事を是正すべきなのです。

今年は沖縄県内の統一地方選挙の年で、竹富町もあります。今後も再燃するかもしれない問題ですが町として頑張れる布陣になるように願いたいです。

さて、話はまったく変わります。

今年はカメムシの果樹類への被害が拡大する見込みなのだといいます。数日前にニュースで見たのですが、例えば山口県では、県の「病害虫防除所」(www.nrs.pref.yamaguchi.lg.jp)から、5月1日付で、「果樹カメムシ類多発生の見込み」なる文書が出されています。文中で、「特に6月下旬以降に多くなる見込みである」とし、被害防止対策を呼びかけています。

この書面の中でも、カメムシ類に登録のある主な薬剤(農薬)の使用方法と残効期間、という表がありますが、このトップがネオニコチノイド系の薬剤なのです。表では、ネオニコチノイド系だけでも6種あり、「アクタラ顆粒水溶剤」は2000倍にして3回以内(モモ、梨)とか、「アドマイヤー水和剤」は、1000倍で、、、など表記されています。その残効期間(被害防止効果)は、「10日程度」と。

ネオニコチノイド系(以後ネオニコ系)の農薬は、この数年でかなり種類も増えてきていて、しかも果樹やお茶、野菜などに、広く殺虫剤として用いられている農薬です。私も数年前、神奈川県の資料を取り寄せて調べ始めて、その種類の多さと、EUなどとの残留濃度基準の違いなどに愕然としつつ、膨大な資料に謀殺されて途中でやめてしまったことがありました。その調べるきっかけは、ネオニコ系農薬が、各地でミツバチの死滅をもたらし、生態系を壊してしまう原因になっているのではないか、という文書に触れたこと。もう一つが、群馬県の内科小児科の青山医師が、独自の調査を元に、ネオニコ系農薬によってこどもたちの記憶障害、体調不良などが起こっている、という結果を書いていたことなどを知ったからでした。

「美味しんぼ」でも、かつてこの内科医の研究結果を取材して書いていましたが、今月号の「世界」でも、ネオニコ系農薬について記事が出ています。この記事でもやはり、日本とEUの残留基準の違いが出ています。お茶で日本が30ppmに対し、EUが、0.1ppmというこの数字を見ると、ペットボトルのお茶を飲むのも考えてしまいます。

青山医師らの調査で、成績不良になって記憶力も落ちてきたこどもに、果物をやめるよう食事指導を続けたら回復していったという話も。ネオニコ系農薬の空中散布が行われていた事も健康被害を拡大してきた、と具体的に県に中止を求めて中止になった事実もあると言います。

日本のマスコミは中国の野菜などの農薬問題を報じますが、日本国内の農薬問題については、まったく触れられないと思います。青山医師とともにネオニコ系農薬の問題を調査している平医師は、「ネオニコ系の農薬については、日本は中国を除いて世界で最も基準が緩い」、と指摘している、と記事の中にあります。

農薬を販売するJA、残留基準を規制するどころか緩和する農水省、農薬メーカー、、。農業にも命よりもお金を最優先にする原理がずっと働いています。もちろん、そこから抜けて命をはぐくむ本来の農業を実践している生産者やグループはたくさんありますが。放射能汚染だけでない食品の危うさはさまざまにあるこの国で、他の国を非難するような報道や発言に接するといつも、日本の実際の姿をちゃんと見ることができてるのだろうか、、と思ってしまうのです。

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