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6月 22日(日) 富岡製糸場の世界文化遺産登録

昨夜の夜のニュースで、富岡製糸場の世界遺産への正式決定、が流れてました。

数年前に、群馬県庁に製糸業関係の担当職が置かれていることを知って、お話を聞かせてもらいに行ったことをブログにも書いた気がします。あの担当職員の人は(今は部署が変わっているかもですがー)喜んでいるのでしょうね。

昨日のニュースでもかなり富岡市や群馬県が喜んでいる様子が報道されていました。以前は中にはまでは入れませんでしたが、今は見学できるそうですし、1度は見てみたいと思っている場所です。

私の世代(?)は、どうしても製糸場からは、山本茂実の「あゝ野麦峠」を連想します。そちらは、飛騨の少女たちが、長野県の岡谷の製糸場へ出稼ぎに行っていた明治から大正時代の事実を取材して書かれたノンフィクションです。1979年に映画になって、高校3年だった当時の私も、その年か、翌年かにたしか郷里の映画館で見たと思いますが、大竹しのぶ演じた主人公と兄役の地井武雄(だったか?)に重ねて、悔しさに泣けてしかたなかったことをよっく覚えています。

映画だけでなく、テレビドラマにもなって、主人公のみねさんは実在した方で、その妹さんも実際に同じように製糸場に出稼ぎに行き、最後はみねさんと同じく腹膜炎で亡くなったそうです。そして実際に若くして亡くなった工女たちの7割が結核だったという明治の統計があるそうですね。

今で言えば完全なブラック企業だったと思われる岡谷の民間製糸場とは違って群馬の富岡製糸場は、官制の「模範工場」として明治5年に操業開始だそうです。でもって、8時間労働の週休も1日あり、夏休み冬休みもあったとか、、当時としてはほかにないくらいの少女たちの労働環境だったのでしょうか。

それでも13~14歳の少女たちが働いていたことは間違いないのですが。それに、明治26年には、三井家に払い下げ、となり以後民間企業となるのですから、それからの労働環境はどうだったのか、と思います。今回の世界遺産登録は、4資産で一体的に評価され、養蚕農家、養蚕教育機関、蚕の卵を保管した風穴、との連携としてだとのこと。それはそれで、この建物の保管も含め、喜びたいとは思います。でも、もう一つ、あえて無粋でも言えば「絹産業を自動化・発展させ世界に返す」「高品質な生糸を量産化」を支えた中に、日本の殖産興業の最前線にいた、今なら小中学生にあたる少女たちが過酷な労働で居続けたことをやはり記憶していくべきと思うのです。

6月 21日(土)  今週のまとめ

__あっという間に週末です。今週もまたバタバタでした。

写真は、見にくいですが18日に撮ったものです。リニア中央新幹線計画の川崎市内で予定されている「立坑」の予定地5か所を見る「見学ツアー」に参加させてもらったのですが、その予定地のひとつ、等々力立坑の近くでJR東海が昨年ボーリング調査をした跡地です。マンホール周辺に水が浸水してきているのがわかります。JR東海が掘削した後の処理が不十分なためだと指摘しているそうですが、放置されているようです。

リニア中央新幹線事業については、環境影響評価書に対する環境大臣からの意見提出が5日に出されています。ほとんどが大深度地下という地下40mを通ることになるため、246kmに及ぶトンネル工事が行われることにも「相当な環境負荷が生じることが懸念される」とは指摘しています。しかし、各県の環境影響評価審査会での審議でも、JR東海から十分な説明・回答がない、と非難が出ているにもかかわらず、これほど早くに意見を提出し、意見の内容について担保を求めないのは環境大臣としての見識を疑うものです。

名古屋までの開通までに5兆円強、大阪まででは9兆円を超える、と言っても南アルプスや地下水の水脈を想定してみただけでもこの金額を超える工事規模になるだろうと思われるのに、肝心な残土の処理対策と地下水の湧出や枯渇の危惧にも何ら具体的に示さないままです。

今日、新聞でも出ていましたが、座間市が市の飲料水としている地下水への影響を懸念して、JR東海の社長あてに質問書を出しました。全部で10項目で、7月18日までに文書での回答を求めています。県内の自治体で市長名の質問書は初めてで、これは座間市に拍手を送りたいです。この回答のありようでJR東海の姿勢がよりはっきりわかるでしょうし、要注目です。そして回答に対し、座間市長がまたどうしていくのかも、、。やっぱりこんな工事は無理なんですよ。

今後の人口動態を考えてみても、道路建設が次々に続く状況を見ても、とてもリニアに人が押し寄せるとは考えにくいこともあります。リニアを考える間に、東海道新幹線の耐震補強などをしっかりやってもらって運賃を下げて乗客の安全と快適さに真剣に取り組む姿勢こそ見せてほしいもの。

選挙で応援に行った、千葉県鴨川市の佐藤カズユキさんから、議会のことや行政情報もいろいろ入ってきます。千葉県は海も山もあり、水が豊かなイメージですが、自然環境にかなり依存している行政のように思えます。神奈川県も工業地帯と埋め立てで来た県で、しかも海を汚す廃棄物の海洋投棄もいまだに無くしていないので大きなことは言えません。宮が瀬ダムをつくってしまったために、高い水を提供し、それでも水道代ではまかなえず「水源環境税」をあれこれ理屈をつけて課税している県です。その分下水道整備率が高く、下水道にかわる合併処理浄化槽を市町村設置型での導入も水源地域には見られます。

千葉県は下水道を整備しない自治体が17あるのですが、合併処理浄化槽もまだあまり進んでいないところが結構あります。これは最初知ったときにはおどろきました。コミュニテイプラント式な浄化槽も今はいろいろありますし、海を目当てに観光客やサーファーが来ると思うと水循環を整えることは非常に大きな課題と思うのです。

公共下水道は金くい虫のように整備に比例してコストがかかる問題ある仕組みです。合併処理浄化槽を整備することが環境と水の循環を考えても一番理にかなっていると思います。鴨川市のように自然条件に恵まれた街こそ、自然を活かし水と海を売りにした豊かな街づくりをしていってほしいものです。

ということで、なんとなく水で始まって水でしめます。梅雨の時期ですからね。┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~

6月16日(月) 食の危うさ・・・農薬

先に記事を記載してからかなり日数が経ってしまいました。竹富町の教科書採択問題が、とりあえずは自治体の意向に沿う決着になったことには、当然の結果とはいえ安堵しました。結構な人々が賛同してくださったことも大きいと思います。

もともと地方教育行政法で市町村に教科書採択の権限があるのですから、文科省が竹富町に是正要求をする事が間違いで、矛盾しています。教科書無償措置法がそのままにされている事を是正すべきなのです。

今年は沖縄県内の統一地方選挙の年で、竹富町もあります。今後も再燃するかもしれない問題ですが町として頑張れる布陣になるように願いたいです。

さて、話はまったく変わります。

今年はカメムシの果樹類への被害が拡大する見込みなのだといいます。数日前にニュースで見たのですが、例えば山口県では、県の「病害虫防除所」(www.nrs.pref.yamaguchi.lg.jp)から、5月1日付で、「果樹カメムシ類多発生の見込み」なる文書が出されています。文中で、「特に6月下旬以降に多くなる見込みである」とし、被害防止対策を呼びかけています。

この書面の中でも、カメムシ類に登録のある主な薬剤(農薬)の使用方法と残効期間、という表がありますが、このトップがネオニコチノイド系の薬剤なのです。表では、ネオニコチノイド系だけでも6種あり、「アクタラ顆粒水溶剤」は2000倍にして3回以内(モモ、梨)とか、「アドマイヤー水和剤」は、1000倍で、、、など表記されています。その残効期間(被害防止効果)は、「10日程度」と。

ネオニコチノイド系(以後ネオニコ系)の農薬は、この数年でかなり種類も増えてきていて、しかも果樹やお茶、野菜などに、広く殺虫剤として用いられている農薬です。私も数年前、神奈川県の資料を取り寄せて調べ始めて、その種類の多さと、EUなどとの残留濃度基準の違いなどに愕然としつつ、膨大な資料に謀殺されて途中でやめてしまったことがありました。その調べるきっかけは、ネオニコ系農薬が、各地でミツバチの死滅をもたらし、生態系を壊してしまう原因になっているのではないか、という文書に触れたこと。もう一つが、群馬県の内科小児科の青山医師が、独自の調査を元に、ネオニコ系農薬によってこどもたちの記憶障害、体調不良などが起こっている、という結果を書いていたことなどを知ったからでした。

「美味しんぼ」でも、かつてこの内科医の研究結果を取材して書いていましたが、今月号の「世界」でも、ネオニコ系農薬について記事が出ています。この記事でもやはり、日本とEUの残留基準の違いが出ています。お茶で日本が30ppmに対し、EUが、0.1ppmというこの数字を見ると、ペットボトルのお茶を飲むのも考えてしまいます。

青山医師らの調査で、成績不良になって記憶力も落ちてきたこどもに、果物をやめるよう食事指導を続けたら回復していったという話も。ネオニコ系農薬の空中散布が行われていた事も健康被害を拡大してきた、と具体的に県に中止を求めて中止になった事実もあると言います。

日本のマスコミは中国の野菜などの農薬問題を報じますが、日本国内の農薬問題については、まったく触れられないと思います。青山医師とともにネオニコ系農薬の問題を調査している平医師は、「ネオニコ系の農薬については、日本は中国を除いて世界で最も基準が緩い」、と指摘している、と記事の中にあります。

農薬を販売するJA、残留基準を規制するどころか緩和する農水省、農薬メーカー、、。農業にも命よりもお金を最優先にする原理がずっと働いています。もちろん、そこから抜けて命をはぐくむ本来の農業を実践している生産者やグループはたくさんありますが。放射能汚染だけでない食品の危うさはさまざまにあるこの国で、他の国を非難するような報道や発言に接するといつも、日本の実際の姿をちゃんと見ることができてるのだろうか、、と思ってしまうのです。

4月 28日(月) ファントム爆音

今日の米軍機の爆音は、午後9時まで続いてます。昨日投開票の鹿児島2区の選挙結果を受けてのことなのでしょうか? あまりのうるささに防衛省に電話しました。

防衛省は即電話に出て、米軍機爆音への抗議だと知ると、なぜかそのあと「担当に変わります」と言ってから当直室につなぐのです。当直室の方は本当に大変ですよね。なぜ防衛省の職員がそのまま対応しないのでしょうか。不思議な世界です。防衛省は日本の国民に寄り添う気は毛頭ないと示しているようなものです。

一昨日深夜に帰宅して、昨日はイベントの仕事でしたが朝からずっと相模大野駅周辺は寒いくらいの強風でした。

その前日は鹿児島にいたので、気温差が厳しかったのですが、今日は雨の前触れか暖かで助かりました。

ありかわ美子さんの応援に後半約5日程度ですが行ってました。鹿児島の選挙は私は初めてでした。2区という、とても複雑かつ広い選挙区だと知りました。島の多い選挙区で、鹿児島市内部分の一部、指宿、南九州市の頴娃町がそのほかの選挙区です。

今回の選挙は初めてのことがすごく多い選挙でした。

山本太郎参議院議員も乗っている候補者カーが、警察のパトカーに止められて「道路交通法違反ですよ」と言われたのには、驚きました!議員が、「道路交通法の適用外なのに露骨な選挙妨害はやめて下さい!鹿児島県警」と言いましたが、本当に露骨でした。

さらに、自民党の違反ポスターが、あちらこちらやたらに目立つのにも驚きでした!共産党も少しありましたが。自民党の「撤去した」なんて冗談もいいとこでしたね。鹿児島市内、指宿市内、南九州市内、いずれにも自民党の違反ポスターが幹線道路沿いにバンバンあるのです。それを全く取り締まらずに、露骨な選挙妨害をしてくるんですからかなりのデキレースです。

「鹿児島ルール」というのがあるらしいですが、それにしても無法地帯の番人が警察なのでしょうか。

過去数年のこの選挙区での女性候補は、幸福実現党の年配の女性が出たくらいでしょうか。厳しい条件の選挙区なのだと本当に思います。桜島の火山灰の風向きで、外で仕事をする人のコンタクトレンズ装着は無理だと思い知らされます。でもそれ以外は、とても豊かな食と文化に誇りも持つ地域です。指宿のそら豆などは日本一の生産量だし、畜産は豚も牛も、そして鶏肉も豊富な土地です。さらには枕崎はカツオの漁獲で有名で、鹿児島県は鰹節の生産量が日本一です。きびなごも特産ですし、しかも地元では安く食べられます。これほどの地産地消が豊かな土地も珍しいくらいではないでしょうか。 そこに選挙のむずかしさも思いました。

選挙中に候補が握手して「支援します」と言ってくれる年配の女性の方々の中に、「今回は無理でもまた必ず続けてくださいね!」と言われた方、そういうニュアンスの方が複数いらっしゃいました。

なぜか思い出したのが、私が初めて相模原で選挙に出た時のこと。かろうじて下位で当選できたのですが、手を振ってくれる人はそれ以上にとても多くありました。当選後、市役所で市の職員に文句を言ってる60くらいの女性に、わが意を得て思わず話かけたときに言われたことが、「もう1票あったらあなたに入れてあげたいとまわりでみんな話してたのよ!当選できて良かった」というものでした。もちろん、今回のありかわさんとは状況も選挙も全く違いますが、後半ぐいぐいよくなった街頭の反応の良さと票数のギャップにはいろいろ考えます。

考えて考えて、次につながる選挙になるようにしたいです。ありちゃん!

3月 21日(金・彼岸の中日です) 竹富町の声明文に賛同を!

昨日久々にブログで、竹富町の教科書問題のことを記載したら、今日、竹富町の友人、上間さんから、町民の会の声明文への賛同を呼びかけるメールが届きました。以下に紹介します。

<声明文>

文部科学省による竹富町教育委員会への是正要求に抗議し、撤回を求める声明

2014年3月14日、文部科学省(文科省)は、竹富町教育委員会へ是正要求を出しました。竹富町が中学校公民分野において、採択地区内で同じ教科書を使っていないのは、教科書無償措置法に違反しているから、2011年8月23日の教科書採択八重山地区協議会で選ばれた育鵬社版を使用せよとの強制です。

しかし8月23日の協議会は、石垣市教育長である玉津博克協議会会長による独善的な協議会規約の改変とメンバーの入れ替え、教科書調査員の意見無視、無責任な選出方法など、非民主的で問題の多い協議会でした。公民教科書に関しても内容がほとんど審議されないまま、調査員の推薦のない育鵬社版を選び、答申しました。

それを受けて石垣市と8月23日の協議会の審議過程に問題が多いこと、育鵬社版の公民教科書は米軍基地問題に触れていないなど、竹富町の子どもたちにふさわしくないことから、東京書籍版を採択しました。

これに対して文科省は、竹富町教育委員会の採択を違法とし、同年12月には無償措置からはずしました。しかし、同一地区内で同じ教科書が採択されていない状態が違法なのですから、3市町がそろって違法状態をつくっているのであり、竹富町だけを違法というのは筋が通りません。

この状態を解消するため、文科省と沖縄県教育委員会の指導のもと、同年9月8日、採択地区内全教育委員の協議が行われ、6時間半に及ぶ論議を経て東京書籍版が選ばれました。ところが、文科省と石垣市・与那国町教委はその協議を無効とし、今に至るも同一教科書採択は実現していません。

教科書無償措置法は、採択地区内の協議で同一教科書を採択すると規定しています。9月8日の協議を認めないのなら、文科省は協議を続けるよう指導すべきです。それゆえ、是正要求によって育鵬社版の教科書採択を強制する文科省こそが、市町村の教育委員会に採択権を認めている地方教育行政法に違反していると言わざるを得ません。したがって、今回の是正要求は全く不当であり、違法です。直ちに撤回すべきです。

竹富町の島々では、先の戦争で、空爆やマラリア有病地への強制疎開などにより、家族や友人を失った者も多く、西表島には軍の「慰安所」もありました。沖縄島で地上戦に巻き込まれた経験を持つ町民も身近にいるので、戦争を知らない世代は彼らの体験を聞く機会に恵まれています。

しかし、それだけでは歴史や公民の学習には不十分です。子どもたちは学校で、戦争が起きた経緯や当時の日本政府の過ちもきちんと学び、自分の頭で考える力をつけることがぜひ必要です。それには育鵬社公民教科書は適しません。この点でも私たちは竹富町教育委員会の決定を断固支持します。

たった50冊の教科書に、なぜ文科省が執拗に介入するのでしょうか。教科書検定基準や教育委員会制度の改悪、武器輸出三原則の事実上の撤廃、特定秘密保護法の強行採決など、今の政治状況をみると、行きつく先は国定教科書の復活、そしてまたもや戦争ではないかと危惧せずにはいられません。

また、沖縄は戦後69年間、人権を奪われ、米軍基地の集中など、米軍と日本政府の差別政策によっていじめ続けられています。今回の文科省による竹富町教育委員会への強権発動も「弱いものいじめ」そのものです。辺野古新基地建設問題では、稲嶺名護市長が市長権限で建設に抵抗するなら、政府はやはり、地方自治法による是正要求を検討するということです。このように文科省の竹富町教育委員会への是正要求は、教育の国家統制だけでなく、地方自治を制圧する第一歩でもあり、とうてい許すことはできません。

私たちは、政治が教育に介入することに断固として反対します。

私たちは、文部科学省が竹富町教育委員会に発した是正要求を直ちに撤回することを強く要求します。

2014年3月19日 

竹富町の子どもたちに真理を教える教科書採択を求める町民の会

以上で、この声明に賛同できる人は以下のメルアドに「声明に賛同」と入れて送信してくれるよう求めています。締め切りは3月31日深夜までです。賛同いただける方はよろしくお願いします。

送信先:chouminnokai@gmail.com

よろしくお願いします。

2014年 3月 20日(木) 竹富町の教科書問題

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遅まきながら、3月15日の脱原発集会(日比谷野音)です。デモも参加しましたが、5500人が主催者発表でした。東京新聞が16日の1面に写真載せてました。

今日の新聞に、沖縄県竹富町で続く、文科省の恫喝のような教科書押し付けという「是正」要求、に対し、沖縄選出の国会議員が連盟で抗議声明を出す会見を行った、とあります。

なぜ抗議しないのだろう、とずっと思っていたので、ちょっと遅いんじゃないか、というのが正直な感想です。 竹富町を孤立させず、文科省への抗議の声をより広げて行きたいものです。教育を受ける権利は、文科省や時の政府、官僚の言いなりの人間をつくるためにあるのではないのですから。

今日の新聞で、もう一つ。朝日新聞に出ていた「入管行政に警鐘」も、依然として日本の人権後進国を象徴しています。2010年3月、ガーナ人男性が強制送還される時に成田で窒息死させられた殺人事件で、遺族が賠償責任を求めて国を訴えた裁判の判決が東京地裁でありました。

死因は入国管理局(入管)の職員による違法な制圧行為、と断定した判決で、遺族に対し、国が500万円の賠償を行うよう命じた、というのが19日の判決内容です。

ずっと前から日本の難民受け入れの少なさや、入管の非道さは指摘され、私も過去に直接抗議をしなければならない場面もありましたし、弁護士など様々に入管行政の是正を求めていました。 今回の判決が出た事件では、殺人まで犯していながら法務省の下にあるからと警備官は先に不起訴になってしまっています。法務省という権力を持つ集団の犯罪には徹底して甘く作用するシステムです。

労働現場では、日本の働く人たちでも正規社員の採用は難しく、正規社員だからと、法外に残業させられるブラック企業は業種を問わずあちこちにあって、派遣や非正規では、時給だけでは食べていくことが難しいような実態がそこここです。賃金も安く、仕事もきついために人が長く働けない介護や福祉の現場に、外国から労働者を受け入れようというあまりにご都合主義な実態が動いています。 どちらを見ても人としての個人の存在がとても軽く扱われてしまう日本が透けて見えるのですが、入管行政の姿は更に外国人への差別的な視線が加わって醜いまでの日本です。 

なぜこんな、、と思わない日がない毎日。サイクルがどんどん速くなっていく今に生きているから、気を長~くもって、タメをたくさん持って、お金はなくても余裕でかまえ、あれもこれもはできないけれど、こだわることはこだわって、考えて、行きたいと思います。

遅まきながら2014年の初記事です

140118_162000なかなかブログに手をつけられず年があけてしまいました。フェイスブックやツイッタ-のお誘いも今はとても時間もお金も労力もかけられないためご勘弁をいただいています。

ともあれ、今年はますます忙しくなりますので準備をしていかないと、とは考えているのですが。

上記のよくわからない写真ですが、18日に藤沢市内で行われた「小規模多機能フォーラム」の会場です。介護事業の関係の会は最近ご部沙汰していましたので、とても新鮮で、内容も希望の持てるものでした。介護保険が始まった当初のことを考えました。あの様々な問題を当時の私などが壁だと思ったものもすいっと超えて新たなことを取り入れ、チャレンジする人たちが確実に実践し引っ張ってきた中で、若い次世代の人たちが育ってきて、更に各地の地域を舞台に実践を広げているんだな、とうれしくなりました。たくさんの人が参加して懇親会もとてもにぎわっていました。この流れを各地により浸透させたいですね。

今日とてもうれしかいことが一つ。東京都の大島の方から、手紙とレポートが着いたと電話をいただきました。 もう何年も前に相模原から大島に移住された、ホントに古くからお世話になっていた方なのです。昨年の続いた災害でとても心配しつつ、電話は1度つながっただけだったため、どうされているかと思っていました。

「マイナスばかり続いたから、もうプラスになるしかないと思ってる」と、逆に励まされ、その大変だったさなかのことを聞いては今の姿勢に脱帽します。 中で、社会やいろんな仕組みが人にやさしくあってほしい、と願う切実な話を聞きました。今政治にもっとも求められているものもそういうことではないか、と私も思います。

名護の選挙結果は、当然の結果ですが、沖縄県民の叫びをまた突きつけられた気がします。その民意に耳を貸さず権力という力で抑えつけようとする政権の姿勢は、社会に悪意をばらまいていくとしか思えません。秘密保護法、基地の押しつけ、そして原発の再稼働と棄民。同根に400を超える議席を衆参でもってしまった自民党の強権政治があります。それでも、沖縄が年末に県知事選挙を迎え、東京はこれから知事選挙、そして来年の全国各地の統一地方選挙、再来年の衆・参議院選挙と続きます。闘える布陣をつくるために何がしか役に立てるよう取り組んでいきたいと思う年頭です。

強く、優しくありたいと思いながら、、今年もよろしくお願いいたします。

11月 2日(土) 参議院選挙から3ヶ月あまり

いつの間にか11月の声を聞いてしまいました。何と早い時間の経過、、。ネットやメールをこまめにチェックしない習性のため、テレビと活字で「今」を知ることの方が多い私ですが、山本太郎さんの園遊会のお手紙事件は、新聞が結構書いてて以外に思いました。と言っても新聞によって書き方、コメンテーターが違いますが。

その前に、私があの暑かった選挙から3ヶ月も過ぎてから知ったことでちょっと驚いたのが、山形の庄内地域5つのJA(農協)に、選挙 9日後に、公正取引委員会が、「独占禁止法違反」の疑いで、立ち入り検査に入った、という雑誌「世界」の記事です。

公正取引委員会の根拠は、「農家がコメを出荷する際農協に支払う販売手数料の金額でカルテルを結んだ」ということだと言います。全く前例もなく、全国でも初めてのケースだそうですが、普通に考えても全く意味不明の立ち入りです。

山形の庄内地域といえば有数の米どころ、野菜や果物も豊富で豊かな豊穣の生産地での農協がちゃんと仕事をしているところ-とのイメージです。更に農協もですが、各地の生協や、消費者団体とも関係が多いところでもあります。明確な説明のない、今回の立ち入り検査には、JA山形中央会の会長も、「農協間で手数料の金額に差があり、定率制から定額制に以降した時期も違っている」と疑惑を否定していると、記事にありました。

本当の理由は、「山形の乱」として、自民党に反旗を翻し、みどりの風の船山やすえ参議院議員を推薦し、選挙最中の撹乱にもめげず最後まで姿勢を貫いた山形のJAへの報復なのでは?!と地元の新聞でも指摘と疑惑を載せたそうですが、この指摘にまず間違いはないでしょう。

参議院選挙で「反TPP」を鮮明にした候補を押した農協への報復、というあまりにわかりやすい脅し行為をやってまで、自民に逆らうとこうした目にあう、と恐怖心を植えつけたかったのでは、ともありますが、この政権の本性がこの件にもあらわれていると思います。

暴力的で強権的な本質を露骨にした政権-と現政権の評価を持っています。消費税増税を強行しようとしていること、しかも生活保護の額を引き下げ、年金受給額を引き下げる矛盾を強行させつつです。福島の現実を忘れさせ、そらして、1ミリシーベルト以下という基準を引き上げようとしていることも、東京オリンピック誘致を天皇一家の政治利用もしてまで強行してきたこと、など等。あの選挙で自民党が絶対安定多数をとってしまったことの結果がでています。

山本太郎さんが天皇に手紙を手渡したことを自民党が「政治利用」、と言うこと自体どの顔で?!です。確かに軽率な行為ではあるかもしれませんが、もし私が、25年前の市議のころで、福島の現実と政治の惨い現実が進行中で、こういう機会があたえられていたら、私もやったかもしれません。

田中正三のことを思ったかどうか、より、天皇の位置づけは全く違うのに、政治の実態は今もあの公害を垂れ流させた当時と同じように、むしろ今の時代の中だからそれ以上に醜悪で、政治が福島を置き去りに、子どもや国民の多くを被曝させようとしていることのほうが、とてつもなく問題なのだと思います。日本のマスコミや国民が今向き合うべきことなのは、そういう手段を講じてでも、と一国会議員があせってしまうほど、国会や政治が何もできないでいるという現実の方ではないでしょうか。

私は今回の事を、特定秘密保護法が閣議決定された中で、新聞やマスコミがどう報道するか、ちょっとですが見ています。昨日のニュースで、テレ朝の報道ステーションに出ていたコメンテータに比べて、TBSのニュース2、3のコメンテーターをしていたカンサンジュ氏が、この件を簡単に切り捨てるように評し、「脱原発の意見がこういうことと一体に見られたらマイナス」というようにそれこそマイナスのことだけを言うのに失望しました。

カンさんが変質してきたことを見たようで、そちらの方が少しショックでした。今や、「パッチギ」の世界とは程遠く、闘うことも止めてしまったのでしょうか。

9 月 23 日(月) TPPストップのために!

参議院議員の山本太郎さんが、選挙公約でも掲げた「反TPP 全国キャラバン」をスタートさせる初日、というよびかけに、昨日は久々に渋谷のハチ公前に行ってきました。

山田正彦前衆議院議員らと、ブルネイでの交渉会合にも参加し、TPPの危険性を訴えてきた山本太郎さんは、選挙以来の渋谷の街頭で集まった多くのボランテイアや市民に、ISD条項による投資家保護の問題や、交渉参加して4年を経ないと条約の中身を知ることができない、1%の利益のために99%の人が犠牲になる、など、問題点を熱くかたりました。

そして、大阪や名古屋、北海道など各地で反TPPの旋風を起こすためにキャラバンを開始することを、集まった人たちにも発信してくれるよう呼びかけました。

結構たくさんの人が足をとめて聞いてくれたり、選挙で入れた、という人が話を聞いて、「太郎さんしかいないですから」とカンパをしていってくれることにうれしく、励まされてかえって来ました。

そして今日は、相模大野で「TPP合同学習会」があり、9条の会などの人から呼びかけられてもいたため参加しました。

4名の講師が、食の安全・農業・医療・全体の問題点、と幅広くTPP問題を論じてなかなか内容の濃い学習会でした。

アメリカがNAFTA(北米自由貿易協定)でも、ISD条項を使って、メキシコやカナダに安全基準や環境基準を守るセーフテイーネットが、自由な企業活動を阻害するものだと、国際裁判所に提訴して、制度の撤廃に追い込んだ過去の事例も紹介されました。NAFTAでのISD裁判で勝訴したのはアメリカ企業だけ、という事実は何よりも雄弁にISD条項も国際裁判所も結局は、アメリカ企業有利のために働くという証左です。

TPPの条件づくりと言っていいような、日本国内で進む食品添加物の指定手続きの簡素化や迅速化とその数の増大。遺伝子組み換え作物の栽培拡大と、その大量の加工食品の輸入増で知らぬ間にビタミンなどとしても接種されている実態など、改めて認識させられました。

医療保険、皆保険制度の崩壊の危険も指摘されていることですが、その前段ですでに増えている、国保の加入対象でありながら国保に入っていない―保険料を払えない、無保険者が増えていることも前から気になっていますが改めて危機感をもちます。

 TPP、原発、消費税、、まるで国民を虐待するような政策ばかりです。でもそう思っている人は結構多いはずです。まあできることをぼちぼちやって行くのみですが。

8月 3日(土) 目下通信作成中!

ご無沙汰していますブログです。見てくださる皆様には、ホントに申し訳ありません。

選挙が終わってからは仕事がとたんに慌しく、追われるようになっていまして、自分の通信をつくる作業が何とか佳境を越えた感じでしょうか。

相談活動をしながら、しばらくご無沙汰だった、水産庁のホームページを見ていました。放射性セシウムとヨウ素の測定結果の一覧が更新されているのですが、見ていて気になることが多々あります。

元々多くの人が心配していた、原発事故での海への放射性物質を含んだ汚染水漏れを、東電が選挙直後に認めて小出ししていることは報道されていますが、ストロンチウム90などは実際にどれくらいの汚染なのか、魚介類への測定検査は非常に難しいとされ、今の水産庁ホームページでもほんのわずかな測定事例しか出ていません。検査対象の場所も、地名ではなく北緯などで書かれているためとても判別しにくくなっています。

セシウム134、137についても、半減期が約2年という134は、137のほぼ半分くらいになっているのが測定を実際にやってみたり、側聞するとわかります。ところが、水産庁の測定結果の中には、例えば、「7月25日公表」の「大田区多摩川下流域」の「ヤマトシジミ」で見ると、「検出限界未満」、としながら、134が、<5.5 137が<5.3(bq/kg)です。

同じく、「ヤマトシジミ」の「江戸川区荒川下流域」も、「検出限界未満」で、134が<6.0    137が<7.6 です。どうもこうした数字は信憑性にかける気がしてしまうのです。市民測定室の方に聞くと、測定時間が短いか、量が少なすぎるか、、とのご指摘。やはり測り方が不十分なのでは? と思うのです。国か都などが委託しているのでしょうから、もう少しきちんと測ってほしいものです。ちなみに、この前段の分は、いであ(株)という会社で、元は旧建設省のOBが社長になっていた時期も結構あったようですが、2011年からは、代取りは社内プロパーで、取締役には、やはり国土交通省OBがはいっているようです。測定を請け負っている会社も財団なども多くありますが、測る作業はきちんとしてもらわないとね!